スタジオジブリ時代は“崖の上のポニョ”,”千と千尋の神隠し”や、ジブリから独立後は「時をかける少女」「君の名は。」などで背景美術をつとめたアーティスト増山 修さんが原案と脚本を担当した実写映画「神楽鈴の鳴るとき」を観てきた僕(@ka__zz)です、ごきげんよう!
とにかく素晴らしい中編映画で、すっかり感動して泣きました!
ハンカチーフを忘れたことを後悔するほど涙が溢れてくる内容でした。
ネタバレとなってしまうので、詳しく書けないのがつらいところですが、この映画は稚児舞(ちごまい)という日本の伝統的な神ごとを題材にして、日常生活のなかでストーリーは展開していきます。
増山 修さん原案・脚本の中編映画「神楽鈴の鳴るとき」を観てきた!
映画に対してはわりと辛口でクールな僕ですが、「神楽鈴の鳴るとき」の本編が終わりエンディングテーマが流れている時の、じんわりと胸の奥が熱くるあの感覚、すごかったです!
この感動を味わうには、もちろん映画を観ていただくのがいちばんなんですけど、映画を観終わった僕の感想をひとことで言うのであれば・・
魂が浄化されたことで流れた涙でした。
まずこの映画を語るとき、はじめにお伝えしたことがありまして、アニメの背景美術を手がけている増山 修さんが原案そして脚本を手がけていることです。
▼増山さんが代表を務める株式会社インスパイアード
増山さんはスタジオジブリのご出身で、日本人なら誰でも知っているアカデミー長編アニメ映画賞を獲得した「千と千尋の神隠し」,「崖の上のポニョ」などの背景を宮崎駿監督のもとで描き、独立後はご自身でスタジオを設立し「時をかける少女」「君の名は。」などの美術も担当されました。
増山さんが本業の合間に書いた脚本が、富士山・河口湖映画祭のシナリオコンテストで準グランプリに選ばれたことがキッカケとなり制作がスタート。
数々の苦難を乗り越えて完成!プロデューサーの竹原直子さんから伺った制作秘話をだいぶ短縮しましたが、かなりドラマチックな展開(それこそ映画になりそうなほど)で作られた映画です!
▼僕が参加したイベントの様子
先日、上映会が東京調布のKICK BACK CAFEで開催され、満員大盛況のうちに終わりました。
トークショーでは登壇者も初耳の裏話が続出!
ご来場者も美味しいオーガニックの食事とともに、お腹も心もいっぱいになるイベントになりました。
映画のあらすじと稚児舞について
まず映画を観る前にタイトルやポスターから想像した内容は、
脚本がジブリご出身の増山さんってことでジブリ的なファンタジー、神社にまつわることくらいで、どうして子供が巫女さんとなって舞っているんだろう?という素朴な疑問でした。
公式ページから映画のあらすじを引用すると・・
フルート奏者の鏡子(加藤明子)と剣(白石朋也)はオシドリ演奏家夫婦として知られていたが、不妊をめぐる剣の一言が原因で、離婚の危機を迎えていた。
そんなとき、義理の父(大杉漣)から、事故で両親を亡くした姪っ子の鈴(濱田ここね)を、養子に迎えて欲しいと頼まれる。鈴は、両親が健在であることが条件の、千年の伝統を持つ河口の稚児舞の舞手であった。
稚児舞は続けたいが、新しい両親に抵抗がある鈴。
夫とは和解したくないが、鈴のことが気になっていく鏡子。ともに自分でコントロールできない「命」というものに向き合う二人の関係は・・
さてさて、あらすじにも書かれている稚児舞(ちごまい)ってなんだろう?
Googleで調べてみると・・
遥か昔から神社の神ごとで、子供が神に捧げるために踊る儀式を稚児舞といいます。
清浄で無垢な子供は神にもっとも近いものとされ、お祭りや神ごとの場で、神さまがこの世に降り立つための憑坐(よりまし)としての役割が稚児あるみたいですね。
ちなみに憑坐(よりまし)というのは、祈禱師が神霊を乗り移らせたり、託宣(神さまからのお告げ)を述べさせる人のことらしいです。僕のアタマに卑弥呼がパッと思い浮かんだので、およそみんなが知っている卑弥呼のイメージが憑坐だと思います。
稚児舞について、映画の公式ページによると・・
河口の稚児舞(かわぐちのちごまい)は、山梨県南都留郡富士河口湖町河口の河口湖北岸に鎮座する河口浅間神社に伝承されている民俗芸能の稚児舞。
同神社の4月25日の例大祭と、7月28日の太々御神楽祭において拝殿で奉納され、地元では「オダイダイ」とも呼ばれるが、巫女舞による太々神楽が原型であると考えられている。
貴重な民俗芸能として昭和35年(1960年)11月7日に山梨県の無形民俗文化財に指定されたのち、平成29年(2017年)3月3日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
なお河口のほか、富士河口湖町大石にも大正年間(20世紀前葉)に伝わったという稚児舞いがある。
日本の伝統行事である稚児舞ですが、映画では実際の現場(ふつうはなかなか許可が出ないそうです)で撮影されたというのですから、その臨場感とリアリティはものすごくて、まるで本当に目の前で稚児たちが舞っている錯覚に陥ってしまうほどでした。
イベント上映、自主上映で観ることができる「神楽鈴の鳴るとき」
「神楽鈴の鳴るとき」上映会&トークショーin東京
★武蔵野スイングホール★(東京都武蔵野市 JR中央線 武蔵境駅 北口すぐ)【日時場所】
●8月18日(土)武蔵野スイングホール
19:00~20:30
…
さてさて「神楽鈴の鳴るとき」は、どうやったら観ることができるの?
現在(2018年7月)は、この映画にゆかりのある場所でイベント的に上映されています。
しかも主演された加藤明子さんや監督の小沼さん、脚本の増山さん、そしてプロデューサーの直子さんたちもゲストとして会場に来られ、トークライブも一緒に観ることができるスペシャルに楽しいイベントになっています!
僕が東京の調布市で参加したイベントでは、制作の裏話や苦労話を聞かせていただき、さらには実写制作とアニメ制作の違いなど興味深いお話を聞くことができました。
スケジュールはfacebookページで発信されているのでぜひフォローしておきましょう。
映画の音楽は僕が大好きすぎるバンド「HEAVENESE」が担当!
最後に、この映画の見どころをもうひとつ。
映画音楽を担当したHEAVENESEは、僕がウルトラリスペクトをしているバンドです!
冒頭のコンサートシーンで演奏される曲からエンディングテーマまで、ボーカルのMarreさんとバンドメンバーがゼロから作り上げ、映画の世界観をさらに深く、そして繊細なものにしています。
個人的には、エンディングテーマは鳥肌もので意識が別の世界へトリップするほどの感動でした。この壮大なエンディングテーマを歌っていらっしゃるのが主演された加藤 明子さんだと聞いて、さらに驚きました。
だって、ものすごく魂が入った歌声で神がかり的に美しい曲なのです。
加藤 明子さん公式サイト
「神楽鈴の鳴るとき」は歴史上初めて伊勢神宮に奉納された映画。
そして、、
涙涙の感動のイベントが終わった後、音楽を担当されたHEAVENESEのMarreさんからさらに驚いたお話をうかがうことができました。
facebookページから引用させていただきます。
映画「神楽鈴の鳴るとき」は、「天から頂いた恩恵をお返しする」という、表現の原点に立ち返るために制作され、伊勢神宮で初めて正式に奉納された映画作品となりました。(映画の成功祈願はあるようですが、映画そのものが奉納されたのは初めてとのことです)
沢山の方に観て頂くことも喜ばしいことですが、それ以上に、この映画には何か大きな役割があるのかもしれません。
日本精神の中心である伊勢神宮に映画を納めるという発想もすごいのですが、それを伊勢神宮が受けたということは、この映画自体が神ごとであり、日本を支えている神々に奉仕をしたことの証ではないかと思います。
僕たちは長い人生のなかで、いろんなことが起こります。とても辛くて悲しいこと、逃げ出したくなるようなこと。それでもみんなグッと歯を食いしばってがんばって生きてる。
理屈では説明できない見えない何かがこの映画には宿っていて、それが観た人たちそれぞれが抱えている痛みや傷を癒してくれる・・
そんな、素敵な映画でした。
▼背景美術クリエイター 増山 修さんの本
それでは皆さん、よい一日を!
Have a good day!
and God bless you!!