ヴィーガン(完全菜食)ランナーのスコット・ジュレクが全長3489km、総高低差150kmの山岳レースを46日と8時間7分で完走し世界記録を樹立しました!
舗装道路を走るマラソンではなくて、険しい山岳の道なき道を1日平均80kmを46日連続でひたすら走る世界一過酷なこのレースで、20年間肉魚をいっさい食べていないベジタリアンが、しかも42歳のスコットが優勝したという事実は、かなり大きなインパクトがあります。
完全菜食主義なスコット・ジュレクが全長3489kmのアパラチア山脈トレイルを46日8時間で走破。
image:Outdoorjournal
まずはじめに、
凸凹道の険しい山脈を、3500km近くも走るというレースがあること自体アブノーマルすぎて、開いた口が塞がありません!
こんなレースが行われているのが、カナダからアメリカのアラバマ州まで縦断するアパラチア山脈にある自然遊歩道アパラチア・トレイルで、このニュースを伝えた記事によると1マイル(1.6km)を抜けるのに90分以上かかる難所もあるようです。
そんな場所を1日平均で80kmも走ってそれだけでも超人レベルなのに、なんと46日連続で走るなんて凄いを通りすぎて異常です(笑)
出典:3500kmを走るウルトラマラソン世界記録保持者がベジタリアンのわけ – Excite Bit コネタ(3/5)
image:Exciteニュース
世界記録を樹立したスコット・ジュレクが実際に山岳を走った距離をわかりやすく置き換えてみると、このレースの凄さがよくわかります。
3489kmってこんな距離
・フルマラソンを83回分
・山手線34.5kmを101周分
・皇居を300周分
・日本の最北端宗谷岬から最南端沖縄の波照間島が3200km
image:Runningmagazine
スコットは走りながら「おにぎり」を食べてエネルギー補給!
お肉・魚どころか卵も牛乳もいっさい食べないスコット・ジュレクは、今回のレースでも走りながら”おにぎり”を食べて炭水化物を補給しています。
スコットいわく、
「ヴィーガンになると活力がみなぎるようになり、回復が早くなってきます。いい燃料を体内に入れると、回復が早くなっていきます。僕は21年間ビーガンを続けているので、継続によって体が回復に最適化されてきていると感じます」
出典:3500kmを走るウルトラマラソン世界記録保持者がベジタリアンのわけ – Excite Bit(4/5)
菜食にすることで、スタミナだけではなく「回復力」もアップするとスコットは言います。そうでなければ46日間、毎日80kmも山岳をトレイルすることはできませんよね。
42歳のスコットが3500kmを走りきれる理由
「ヴィーガンになって最初に気づいたのは、余分な脂肪が取れて引き締まったことです。肌も艶が良くなり若返ったし、走った後の疲労回復時間も短くなりました。
アスリートのスポーツ寿命は5~10年ですが、40歳の僕が、今も現役で走ることができているのは菜食のおかげだと思います」
▼アスリート必見のインタビュー記事
▼おにぎりのレシピも載っているスコット氏の著書
▼スコット・ジュレクのインスタグラム
(アパラチア・トレイルの最終日、岩山を登るスコット・ジュレク)
おにぎりは遥か昔からパワーの源だった!
実は日本にも千日回峰行という厳しい修行があって、お坊さんが比叡山の峰を1000日間1日約40kmを急ぎ足で歩きます。
さらに、その内9日間はお堂に籠って食べ物、水、睡眠をいっさい取らずにマントラを唱えつづけるのですが、この修業に途中でくじけて脱落する時は「切腹して死ななければならない」という掟があります。
この修業にチャレンジするお坊さんも、
「行に入ると、毎日23時30分に起床します。そして滝に入り、装束を整え、おにぎり2つと500mlの水を持って、午前0時半、目指す山頂が24km先にある1719mの大峯山山頂を目指します」
出典:1300年で成功者は2人だけ!1000日間48kmを歩き続け、脱落者は即切腹…過酷すぎる「大峯千日回峰行」を終えた僧の言葉 – ログミー
スーパーアスリートや修行のお坊さんなど、特別な人だからおにぎりだけでスタミナがつく..というわけではありません。有名な実験のお話を紹介します。
ベルツ博士の実験
明治初期にドイツから来日した医学博士で26年間、東京医学校(現・東京大学医学部)で教鞭をとり、日本の医学の発展に大きく貢献したベルツ博士の話をご紹介します。
草津温泉の再発見と日本における温泉療法を指導したことで有名なベルツですが、菜食の素晴らしさを自身の著書である「ベルツの日記」に書き記しています。
当時ベルツが東京から日光までの110kmの道のりを人力車に乗って旅行しましたが、夕方6時に出発し、次の日の朝8時に到着したそうです。ちなみに、ベルツは80キロを超える大男です。この14時間の道中、車夫は変わる事なく最初から最後まで1人で走り抜いたそうです。
ベルツはたいそう驚き、車夫が何を食べているのか、お弁当をみせてもらったところ、植物性中心のお弁当(おにぎり、味噌大根、梅干、沢庵)でした。
ベルツはこれをみて、「肉を食べたらもっと強く、もっと早く車を引けるのではないか?」と考え、人力車の車夫に肉を食べさせ、1日40キロ走る実験したそうです。しかし、3日目の実験途中に、疲労が激しくなり、車夫から「体が重くて走れない。元の食事に戻して欲しい」と懇願され、菜食に戻した所、疲労回復が早まり、元気を取り戻したそうです。
これをきっかけに、ベルツは本格的に肉食と耐久性の実験を始め、論文を発表ましたが、結果としてはドイツ栄養学にのっとって肉食させるよりも、日本人が当時食べていた菜食を中心とした日本食の方が日本人にあっており、体力と持久力が発揮される事を確信しました。
出典:高城未来研究所「Future Report」
▼スコット・ジュレクがトレーニングする様子
僕(@ka__zz)的あとがき
スポーツトレーナーの仕事をしている友人H氏が来日中のスコットに会っていろいろな話を聞いたらしく、元々肉食な彼ですがすっかり影響を受けてベジタリアン食に興味を持つようになりました。
実際に僕自身もここ10年ほどベジタリアンをやっておりまして、年に1度ほど風邪をひく以外は、病気知らずどころか頭痛も腹痛もないほど元氣に暮らしています。
そして、自分の身体にしっかりと向き合うことで、例えば超長距離ランナーのスコット・ジュレクならレース中にオリーブオイルで脂質を補給するなど、本やSNSの情報を参考にはしながらも、自分の身体にちゃんと合った食材を選ぶ重要性も感じました。
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