子供の頃、遠足とか野球の練習がある時に、うちのオカンが作ってくれるお弁当のおかずで、甘い卵焼きがいちばん好きだった僕(@ka_zz)です、ごきげんよう。
長い長い人生でいろんな卵焼きを食べてきましたが、オカンの卵焼きに匹敵するものは一度も出会ったことがないくらい美味しかったのです。母の味というは実に偉大であります。
パンデミックが未だ収束しない現在、世の中の話題で盛り上がっているのがプラントベースフードです。一部の健康意識が高めの人たちが、身体の免疫力を高めることを目的に、質の良い食べ物を求めはじめています。そこで登場しているのが、代替肉と呼ばれる植物性のお肉。
今では、モスバーガー、バーガーキング、ロッテリアなど大手バーガーチェーンが代替肉のバーガーをメニューに加え、伊藤ハムなど大手加工食品メーカーも大豆でハムやソーセージを作り販売をしています。
今回、日本でもっとも卵を消費している企業であるキューピーが「ほぼたま」なるプラントベースの卵もどきを業務用として発売しました。
個人的に、このニュースは大きなインパクトがあって、いよいよ日本も本格的にプラントベースが食卓へ並ぶ予感がひしひしとしているわけです。
キューピーが植物性100%のスクランブルエッグ「ほぼたま」を発売。
3分間クッキングのキューピーといえば、マヨネーズの最大手です。
不健康食品の代名詞とも言えるマヨネーズは、コレステロールと悪質な油の塊ではあるものの(安価な市販品)、日本人はマヨネーズ味が大好きで、冷蔵庫には必ず入っている調味料です。
そんなことを書いている僕もマヨネーズは大好物で、豆乳を使って手作りしては、野菜にたっぷり塗って食べているわけです。
キューピーも以前から卵を使わないマヨネーズ「エッグケア」という商品を発売しておりまして、植物性の商品は”ほぼたま”が初めてではありません。今回は、簡単に手作りできるマヨネーズではなく、一般素人が手作りできない分野である”植物性の卵”の開発にキューピーは挑戦したのです。
植物性の材料のみで卵製品を開発販売している「Hampton Creak社」は、米国のベンチャー企業です。 先日も、全米のセブンイレブンがすべてのサンドイッチに、HC社が開発した植物性マヨネーズJUST MA[…]
“ほぼたま”は、業務用のスクランブルエッグ。
おそらく、ホテルの朝食ブュッフェとかコンビニ弁当のおかずとか、そのあたりがターゲットではないかと思われます。デフレな日本で、今でも安い価格を維持している卵で作るスクランブルエッグなので、高価な植物性エッグの需要はあるのか?(異様に安い価格を実現するには、生産現場に異様な犠牲を強いているからに他ならないわけですが・・)
と、ふつうなら考えます。
パンデミックで外国人旅行者がほとんどこない現在、ベジタリアンが多い外国人の需要も見込めません。もしかすると、コロナ禍が収まり、東京オリンピックの感染にやってくる沢山のインバウンドを見越した開発だったかもしれませんが、現在の状況ではそれもありません。
キューピーが見込んでいるのは、さらにその先にある需要です。
卵焼き、目玉焼き、卵サンド、ラーメンの味玉、カツ丼、どら焼き、ケーキにドーナツ、クッキーにパン、カルボナーラに・・など、ありとあらゆる料理に卵を使います。
キューピーが目論んでいるのは卵料理全般(その利権)であって、今回のスクランブルエッグは最初の一歩に過ぎません。代替卵の開発で先行しているアメリカでは、その需要も拡大しており、先駆者であるハンプトンクリーク社の企業価値は3000億円とも言われるほど成長を続けています。
代替卵を制する企業が莫大な富を手にする。
現在の問題点は、コストパフォーマンスです。
おそらく、現在の高いコストを下げるには、大手ファストフードのチェーン店が導入に踏み切ることが必要となるでしょう。その条件は、本物の卵と味が同じかそれ以上であること。それを考えると、まだまだ先は長い話です。
しかし、アメリカ市場での拡大や代替肉の盛り上がりを見ていると、その波がやがて日本にも訪れることは間違いありません。アメリカ以上に卵大好きな日本人であること、卵をもっとも使う企業キューピーが先陣を切っていること・・がプラスの要因です。
代替卵、そして代替魚肉は、日本においては代替肉以上に需要が多くなるはずです。
そのポイントとなるのが、
①味が本物の卵と同等であること
②コストが本物の卵より安くなること
③栄養価が本物の卵以上であること
④カロリーや脂肪分が本物の卵以下になること
⑤売れない時期でも諦めずに開発を続けること
と、まあハードルは高いですが、この5つを実現できればキューピーは天下を取れるでしょう。
場合によっては、世界のマーケットも奪えるかもしれません。
セブンイレブンやLAWSONの卵サンドイッチが、100%植物性になる・・そんな夢のような話も現実となるでしょう。そして、家庭でも植物性の卵で甘くて美味しい卵焼きが作れるようになることを願ってこの記事を終わりにします!