イタリアで、親が子供にビーガン(完全菜食)の強制を禁止する法案が提出されたことが話題になっていて、違反すると親に禁固刑を課すという内容なんですが・・
100%植物性の食事は栄養不足で子供が病気になるから虐待にあたる、という言い分のようですが・・これについて、世界中で話題となっており賛否両論さまざまな意見が飛び交っています。
ここ11年間ベジタリアン生活をしている僕(@ka__zz) から言わせていただくとバカバカしいにもほどがある、この法案・・と思いますが、実際にビーガンな親の影響で迷惑をしている子供がいることも事実。
というわけで、草食男子的考察をしています。
子供へのビーガン強制は虐待として禁止法案がイタリアで提出される。
日本はもとより欧米でも増え続けているベジタリアン。その中でも100%植物性の食べ物しか食べないビーガンに関するニュースがネットを騒がせています。
イタリアで、親による子どもへのヴィーガニズム(絶対菜食主義)強制を禁止する法案が提出された。違反すると、親に刑事罰を課すとしている。欧米では、近年“厳格な菜食主義者”であるヴィーガンが急増している。英国では、過去10年の間にヴィーガン人口が約3倍に増加したことが業界団体『Vegan Society』と『Vegan Life』誌の最新報告で明らかになっている。
出典:New sphere
このニュースを簡単にいうと、
ビーガンな親が子供にも植物性100%の食事を与えつづけて、栄養不足による健康被害が出ているので、法的に罰することで、子供へビーガンを強制することを禁止するという法案がイタリアで提出されました。
それについて、ベジタリアン食を良しとする側は反対意見を。ベジタリアン食に否定的な人たちは賛成意見が飛び交っています。
さてさて、ここからは僕の考察です。
ビーガンによる栄養不足より肥満のほうが問題では?
このニュースはイタリアですが、日本でもビーガンは増えていて、僕の友人たちの半数以上はビーガンだったりします。
なので、子供をビーガンで育てている友人も実際にいます。僕の友人たちの子供については健康被害どころか病気知らず、医者知らずで、いわゆる健康優良児が殆どです。
そんな状況から、結論として言えるのは・・
同じビーガンでも親によって違う、つまり人それぞれ食べ物も食べ方も、そして考え方も違うということです。いくらビーガンでオーガニックな暮らしをしていても考え方がおかしければ病気になりますし、そんな親が子供を育てれば、ビーガンじゃなくてふつうにお肉を食べて栄養満点な食事を与えても子供は病気になりますよ。
とても興味深い数字があって、
イタリアのビーガンは人口の1%前後(ベジタリアンはもっと多い)だそうで、その1%の親から今回のような子供の健康被害が発生しています。
次にイタリアで肥満の人口は全体の17%以上(世界保健機構2008年データ)だそうです。
世界・成人の肥満率ランキング(WHO版) – 世界ランキング
ご存知のように肥満は万病の元と言われていて、食べ物が自由に手に入る国に生きる人類は、肥満にならないためにダイエット、サプリ、運動、食事制限ありとあらゆる努力をしていますが増える一方です。
当然ながら、国家の医療費も膨大なものになっています。
ちなみに日本は1年間の国家予算およそ100兆円のうち40兆円が医療保険に費やされています。
ビーガンと肥満、どちらが重大な問題かは言わなくても明らかです。
ビーガンに問題はあるのか?
とはいえ、国の法律として議論されるほどビーガンの増加によって重大な問題が発生しているというのも事実です。
問題の背景としては、
・ベジタリアン&ビーガン人口が急激に増加している。
・子供の体調、体質に合わない食事を与えている。
・栄養と健康の知識が足りないままビーガンをやっている。
まあ、ざっとこんなものです。
現在世界中で大流行しているポケモンGO!が巻き起こしている騒動のように、急激に新しいものが拡大すると何かしらの問題が発生します。ポケモンGOでいえば、歩きスマホだったり、遊びすぎて他のことがおろそかになったり。
ポケモンGOに限らず、なにごとも間違ったやり方をしたり、過度にやりすぎることが問題を引きおこします。ビーガンも同じで、健康被害が出ている子供は、その親が間違ったカタチでビーガン生活を送っていることが原因です。
つまり、今回提出された子供がビーガン食で健康被害が出たら親に刑事罰を処するというのは、とてもナンセンスで、大事なことをすっかり忘れています。
それが、“健康に生きるための情報”の提供です。
イタリアのことはわかりませんが、日本についていうと国が負担している医療費が40兆円という数字を見る限り、国の健康指導はほとんど機能していないことを意味します。
肥満が17%もいるイタリアなので、たぶん日本と似たような状況だと推測します。
つまり、法律でビーガンに罰則を設ける前に、政府は国民が健康になるための施策をしたほうがいいよ、というのが僕の意見ですね。
身体を無視したビーガンはやめたほうがいい。
ビーガンは動物性の食べ物をいっさい食べず、着るもの身に付けるものも動物由来のものは無しというルールがあります。今回イタリアで提出されて法案は、子供にもそのルールで生活をさせている親が対象になっています。
人の体質はさまざまです。
植物だけで健康に生きられる人もいれば、お肉を食べないと健康を維持できない人、フルーツだけで健康に生きられる人、食べ物をまったく食べなくても健康な人・・まで色んな人がいます。
僕自身を例にあげると、
ふだんはスタイルを当てはめるとわりとビーガン生活に近いですが、食べたいと思えば卵が入ったどら焼きを食べるし、ハーゲンダッツも大好きです。なので、別にビーガンとかベジタリアンという肩書きはどうでもよくて、自分の身体とココロの気持ちよさをいちばん大切にしています。
イタリアでビーガン生活によって健康被害が出ている子供は、間違いなく親が子供の体質を理解しないまま、”ビーガン”である、もしくは”ビーガンでなければならない”というルールを守ることが、子供の健康よりも先に来ているはずです。
別の言い方をすると、
幸福になるためにビーガン生活をしているのではなく、ビーガンのルールを守るために、さらに言うとビーガンという称号を維持するために生活をしている人たちです。
子供は大人よりも食べ物が敏感に体調に現れます。それを観察する責任が親にはあって、ビーガンという称号に執着するよりも、子供の健康を守ることのほうが100倍大切ですよ。
それが、出来ていない親がいるから今回のような騒動になるのでしょう。
双方に改善の余地があるということ。
今回のイタリアの法案は、実際のところ詳細を読んだわけではないので、法案自体を批評することはできませんし、するつもりもありません。しかし、何かがズレていると感じます。
そして、実際にビーガン生活によって健康を害している子供たちがいるのですから、ビーガンの親たちもあたらめて自分の食生活や考え方を省みる必要があります。それはもちろん、僕自身も含めてのことです。
今の食べ物とスタイルが本当に自分に合っているのか?
今回のニュースは、一度立ち止まって考えてみる良いキッカケになりました。
僕たちは何のために食べるのか?
それは、生きるためですよね。
では、何のために生きるのか?
それは、幸福になるためです。
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それでは皆さん、よい一日を!
Have a good day!